規制・ルール 大切なモノ、契約のお話
私たちは日々、様々な場面で契約を交わしています。お店で買い物をするとき、電車に乗るとき、家を借りるときなど、どれも契約に基づいています。多くの契約は、お互いの意思表示が一致すれば成立しますが、中には意思表示だけでは成立せず、具体的な行動が必要な契約もあります。これを「要物契約」といいます。要物契約とは、当事者間の意思表示に加えて、目的物である物の引き渡しなどの実際の行為が必要となる契約です。約束するだけでは契約は成立せず、約束に基づいた行動が伴って初めて有効になります。例えば、友人に物を貸す場面を考えてみましょう。貸す約束をしただけでは、契約は成立していません。実際に友人に物を渡した時点で、物を借りる契約、つまり賃貸借契約が成立します。同様に、誰かに物を預かってもらう場合も、預かってもらう約束をしただけでは契約は成立しません。実際に物を渡した時点で、物を預ける契約、つまり寄託契約が成立するのです。このように、要物契約は私たちの身近な生活の中で実際に行われている契約の一つです。物を貸したり借りたり、預かったり預けたりする際には、意思の合致だけでなく、物の受け渡しが重要となることを覚えておきましょう。この物の受け渡しこそが、契約を成立させる鍵となります。物を大切に扱うことと同様に、契約についても責任を持って関わる姿勢が大切です。