無配当保険:保険料が安い理由

生命保険

無配当保険:保険料が安い理由

保険を知りたい

先生、無配当保険って、配当金がない分、保険料が安いんですよね?でも、もし会社がすごく儲かって、本当は配当金が出せるのに、もらえないのは損じゃないですか?

保険アドバイザー

いい質問だね。確かに、無配当保険は、余剰金が出ても配当金がない。でも、その分、最初から保険料が割安に設定されているんだ。有配当保険は、将来の剰余金分配を期待して少し高めの保険料を払うけれど、無配当保険は最初から必要最低限の保険料で済むように設計されているんだよ。

保険を知りたい

なるほど。でも、有配当保険だと、もしかしたらたくさん配当金がもらえるかもしれないですよね?

保険アドバイザー

そうかもしれないね。でも、配当金は保証されたものではないんだ。会社の業績が悪かったり、予定より多くの人が亡くなってしまったりすると、配当金は少なくなったり、全く出ない場合もある。無配当保険は、最初から配当金がない代わりに、保険料が安定しているというメリットがあるんだよ。

無配当保険とは。

生命保険には、加入者に利益のおすそ分けをするものとしないものがあります。おすそ分けをしないタイプの保険を無配当保険といいます。一般的に、無配当保険の方がおすそ分けをするタイプの有配当保険よりも保険料は安く設定されています。

生命保険の保険料は、「どれくらいの人が亡くなるか」「どれくらいの運用益が見込めるか」「どれくらいの事業費用がかかるか」という3つの要素をあらかじめ予想して計算されます。しかし、現実にはこれらの予想が完全に当たることはまれです。もし、予想よりも良い結果が出て利益が生まれた場合、その利益の一部を加入者におすそ分けすることがあります。このおすそ分けのお金を配当金といいます。つまり、配当金とは、あらかじめ予想された数値に基づいて計算された保険料について、あとから実際の結果に合わせて精算し、加入者に還元されるお金のことです。無配当保険にはこの配当金がありません。

無配当保険とは

無配当保険とは

生命保険には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、契約者に剰余金が分配される「有配当保険」です。もう一つは、剰余金の分配がない「無配当保険」です。

無配当保険とは、読んで字のごとく、配当金がない保険のことです。この配当金の有無が、無配当保険と有配当保険の一番大きな違いであり、保険料の差にもつながっています。

有配当保険は、集めた保険料を運用して得た利益の一部を、契約者に配当金として還元する仕組みになっています。そのため、保険料は高めに設定されています。一方、無配当保険は、配当金を還元しないため、保険料を低く抑えることができます。

無配当保険は、将来受け取る金額があらかじめ決まっているため、計画的に将来設計をしたい人に向いています。例えば、住宅購入資金や教育資金など、将来の大きな支出に備えたい場合、無配当保険は有効な手段となります。将来の受取額が明確なので、安心して準備を進めることができます。

また、保険料の負担を軽くしたい人にも、無配当保険は適しています。家計の負担を抑えつつ、必要な保障を確保することができます。

一方で、有配当保険は、経済状況が良い時には多くの配当金を受け取れる可能性がありますが、経済状況が悪化すると配当金が減ったり、全く受け取れなくなったりする可能性もあります。そのため、将来の受取額が変動することを許容できる人に向いています。

このように、無配当保険と有配当保険にはそれぞれメリットとデメリットがあります。自分のライフスタイルや将来設計に合わせて、どちらの保険が自分に合っているのかをじっくり検討することが大切です。

項目 有配当保険 無配当保険
剰余金 分配される 分配されない
保険料 高め 低め
将来の受取額 変動する 確定している
メリット 好景気時は多くの配当金を受け取れる可能性あり 計画的な将来設計が可能、保険料の負担が軽い
デメリット 不景気時は配当金が減ったり、無くなる可能性あり 受取額は確定しているので変動なし
向きの人 将来の受取額の変動を許容できる人 計画的に将来設計をしたい人、保険料の負担を軽くしたい人

保険料の仕組み

保険料の仕組み

生命保険の掛け金は、いくつかの要素を基に複雑な計算で決められています。掛け金を計算する上で重要な役割を果たすのが、「見込み死亡率」「見込み運用利回り」「見込み事業費率」という三つの要素です。

まず、「見込み死亡率」について説明します。これは、加入している人の年齢や性別といった情報から、将来どれくらいの人が亡くなるかを予想した数値です。例えば、同じ年齢でも男性と女性では平均寿命が異なるため、見込み死亡率も異なります。また、年齢が高いほど死亡する可能性が高くなるため、年齢によっても見込み死亡率は変わってきます。

次に、「見込み運用利回り」について説明します。生命保険会社は、集めた掛け金を運用することで利益を得ています。この見込み運用利回りは、集めた掛け金を運用してどれくらいの利益を得られるかを予想した数値です。経済状況や金融市場の動向によって、この数値は変動します。見込み運用利回りが高いほど、掛け金は低く抑えることができます。

最後に、「見込み事業費率」について説明します。保険会社は、保険金の支払い以外にも、運営に必要な様々な費用がかかります。例えば、社員の人件費や事務費、広告宣伝費などです。この見込み事業費率は、これらの運営にかかる費用をどれくらいと見積もるかを予想した数値です。事業の効率化によってこの数値が下がれば、掛け金も低く抑えることができます。

生命保険の掛け金は、これら三つの要素を基に、複雑な計算式を用いて算出されます。そのため、同じような保障内容でも、保険会社によって掛け金が異なる場合があります。それぞれの保険会社の見込み方や経営状況によって、掛け金に差が生じるのです。

要素 説明
見込み死亡率 加入者の年齢や性別から、将来どれくらいの人が亡くなるかを予想した数値。年齢や性別によって異なる。
見込み運用利回り 集めた掛け金を運用してどれくらいの利益を得られるかを予想した数値。経済状況や金融市場の動向によって変動する。
見込み事業費率 保険金の支払い以外に、運営に必要な費用(人件費、事務費、広告宣伝費など)を見積もった数値。

配当金の仕組み

配当金の仕組み

{生命保険会社は、たくさんの契約者から集めた保険料を元に、保障を提供しています。そのために、保険会社は将来の保険金や事業費などを予測し、その予測に基づいて保険料を計算します。この計算には、万が一の場合に備えた準備金や、事業運営に必要な費用なども含まれています。また、集めた保険料は安全に運用され、将来の支払いに備えています。

保険会社は、契約者が将来支払うべき保険料を計算する際、様々な要素を考慮します。例えば、どれくらいの人が亡くなるか、病気やケガをするかといった予測や、集めた保険料をどのように運用し、どれくらいの利益を得られるかといった予測です。これらの予測に基づいて、保険料は慎重に決められます。しかしながら、現実の世界では、すべてが計画通りに進むとは限りません。

例えば、想定よりも死亡者数が少なかった場合、あるいは運用益が予想を上回った場合、もしくは事業費が抑えられた場合などを考えてみてください。このような状況では、当初の予定よりも実際の収支が良くなり、剰余金と呼ばれる余剰資金が発生します。有配当保険と呼ばれるタイプの保険では、この剰余金の一部が契約者に配当金として還元される仕組みになっています。

配当金は、契約者にとって嬉しい還元となりますが、不確実なものであることも理解しておく必要があります。なぜなら、配当金の額は、将来の不確実な事象に大きく左右されるからです。毎年必ず受け取れるとは限りませんし、金額も変動する可能性があります。配当金は、あくまで剰余金が発生した場合に支払われるものです。

無配当保険の場合、配当金は支払われませんが、保険料は一般的に有配当保険よりも割安に設定されています。どちらのタイプの保険が自分に合っているかは、将来の収支状況や、保険料の負担などを考慮して慎重に選ぶ必要があります。

無配当保険のメリット

無配当保険のメリット

お金を確実に貯めたいと考えている方にとって、保険は有力な選択肢の一つです。生命保険の中には、契約者へ配当金が支払われる有配当保険と、配当金がない無配当保険があります。無配当保険には配当金がない代わりに、いくつかのメリットがあります。

まず第一に、保険料が安いという点です。有配当保険は将来の運用実績に応じて配当金が支払われますが、無配当保険にはそのような仕組みがありません。その分、保険料を安く抑えることが可能になっています。家計の負担を少なくしたい、毎月の支払いを少しでも軽くしたいと考えている方にとって、無配当保険は大きな魅力となるでしょう。

第二に、保険料が一定である点です。有配当保険の場合、将来の会社の業績によっては配当金だけでなく保険料も変動する可能性がありますが、無配当保険は契約時に決められた保険料が将来も変わりません。将来の支払額が予測できるため、家計管理がしやすくなります。また、将来、保険料の値上げによって保険料の支払いが困難になるといったリスクも避けられます。

第三に、返戻金が確定している商品もあるという点です。無配当保険の中には、満期時や解約時に受け取れる金額があらかじめ決まっている商品もあります。将来どれくらいのお金が戻ってくるのかが明確なので、計画的な貯蓄が可能です。将来の教育資金や住宅資金など、特定の目的のために貯蓄したいと考えている方にとって、無配当保険は有効な手段となるでしょう。

このように、無配当保険は経済的な負担の軽減将来の予測可能性計画的な貯蓄といったメリットがあります。将来への備えとして、無配当保険を検討してみてはいかがでしょうか。

保険の種類 メリット 説明 特に向いている人
無配当保険 保険料が安い 配当金がないため、保険料を安く抑えることが可能。 家計の負担を少なくしたい、毎月の支払いを少しでも軽くしたい人
保険料が一定 契約時に決められた保険料が将来も変わらない。将来の支払額が予測できるため、家計管理がしやすい。保険料値上げのリスクもない。 将来の支払額を予測し、安定した家計管理をしたい人
返戻金が確定している商品もある 満期時や解約時に受け取れる金額があらかじめ決まっている商品もあり、計画的な貯蓄が可能。 将来の教育資金や住宅資金など、特定の目的のために貯蓄したい人

無配当保険のデメリット

無配当保険のデメリット

掛け捨て型の生命保険と同じように、無配当保険にはお金が戻ってこないという欠点があります。無配当保険は、契約時に保険料があらかじめ決められており、将来、保険会社の経営状態が良くなり、予定よりも多くの利益が出たとしても、その利益は契約者には分配されません。この利益は剰余金と呼ばれ、有配当保険の場合、契約者に配当金として還元されることがあります。つまり、無配当保険では、剰余金の分配がないため、保険会社の実績が良い場合でも、その恩恵を受けることができないのです。

また、有配当保険の中には、受け取った配当金を次の保険料の支払いに充てることができるものもあります。この仕組を利用すれば、実質的な保険料の負担を軽くすることができます。しかし、無配当保険にはこのような選択肢がないため、長い目で見ると、有配当保険よりも支払う保険料の総額が高くなる可能性があります。

さらに、無配当保険は、保険料が一定であることがメリットとして挙げられることが多いですが、これは裏を返せば、将来、金利が上昇し、保険会社がより高い運用益を上げたとしても、契約者はその恩恵を受けることができないということを意味します。

保険には様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。無配当保険を選ぶ際には、剰余金が分配されないこと、配当金による保険料の軽減がないこと、将来の金利上昇の恩恵を受けられないことなどをしっかりと理解しておくことが重要です。自分の状況や将来設計を踏まえ、本当に自分に合った保険を選ぶようにしましょう。どの保険が最適かは人それぞれですので、専門家によく相談し、じっくりと検討することをお勧めします。

保険の種類 配当 保険料 メリット デメリット
無配当保険 なし 固定 保険料が一定 剰余金の分配なし
配当金による保険料軽減なし
金利上昇の恩恵なし
長期的には支払総額が高くなる可能性
有配当保険 あり 変動 剰余金の分配あり
配当金で保険料軽減可能
保険料が変動

どちらの保険を選ぶべきか

どちらの保険を選ぶべきか

生命保険を選ぶ際、無配当保険と有配当保険という二つの選択肢があります。どちらを選ぶべきか、迷う方も多いでしょう。最適な選択は、個々人の状況や考え方によって変わるため、一概にどちらが良いとは言えません。

まず、無配当保険は、保険料が一定で、将来の支払額が確定している点が大きな特徴です。家計の管理がしやすく、将来の支出を予測しやすいので、堅実な暮らしをしたい方や、収入が安定しない方に向いています。例えば、若い世代でこれから家族を持つ予定の方や、自営業の方などは、将来の収入に不安がある場合もあるでしょう。そのような方にとって、保険料の負担を軽くできる無配当保険は魅力的な選択肢となり得ます。

一方、有配当保険は、保険会社が運用した剰余金の一部が配当金として支払われる可能性がある保険です。つまり、支払った保険料の一部が戻ってくる可能性があり、将来の保険料負担を軽減できる可能性も秘めています。また、受け取った配当金を貯蓄や投資に回すことも可能です。多少の保険料の負担増を許容できる経済的な余裕があり、将来に向けて資産形成を考えている方には、有配当保険が適していると言えるでしょう。ただし、配当金は保証されたものではなく、将来の経済状況によっては支払われない場合もあることを理解しておく必要があります。

無配当保険と有配当保険、どちらにもメリットとデメリットが存在します。どちらを選ぶかは、ご自身の経済状況や将来設計、そして価値観に基づいて慎重に検討する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、自分に最適な保険を選びましょう。

項目 無配当保険 有配当保険
保険料 一定 変動の可能性あり
将来の支払額 確定 不確定(配当金により変動)
配当金 なし あり(ただし保証なし)
メリット 家計管理がしやすい、将来の支出予測が容易、保険料負担が軽い 保険料負担軽減の可能性、資産形成に活用可能
デメリット 配当金なし 配当金が保証されていない、経済状況の影響を受ける
向き 堅実な暮らしをしたい方、収入が安定しない方、若い世代、自営業の方 経済的余裕があり、資産形成を考えている方
Amazon プライム対象
タイトルとURLをコピーしました