企業の安定性：経常利益を理解する
保険を知りたい
先生、「経常利益」って、普段の会社の活動で得られた利益のことですよね？でも、本業以外の利益も含むってどういうことですか？
保険アドバイザー
そうだね、良い質問だ。普段の会社の活動、つまり本業で得た利益に加えて、例えば会社の土地を売って得た利益や、銀行に預けたお金についた利息なども含まれるんだ。
保険を知りたい
ああ、なるほど。本業以外でもお金が入ってくることはあるんですね。でも、土地を売ったりするのはいつものことではないですよね？
保険アドバイザー
その通り。だから、「経常利益」を見ることで、会社が普段の活動でどれくらい安定して利益をあげているのか、そして本業以外の一時的な利益もどれくらいあるのかを総合的に判断することができるんだ。
経常利益とは。
「保険」について話すときによく出てくる言葉に「いつものもうけ」があります。これは、会社が一年間の仕事でどれくらいもうかったかをあらわすものです。いつもの仕事以外でもらったお金も含まれています。「本業のもうけ」に「本業以外のもうけ」から「本業以外の費用」を引いたものが「いつものもうけ」になります。（いつものもうけ ＝ 本業のもうけ ＋ 本業以外のもうけ － 本業以外の費用）。本業以外のもうけには、持っている株を売って得たもうけや、株でもらえるお金、銀行に預けているお金でもらえるお金、お金の価値が変わって得するお金などが含まれます。本業以外の費用には、借りているお金の利子や、持っている株を売って損したお金、お金の価値が変わって損したお金などが含まれます。
経常利益とは何か
一年間の会社の業績を評価する上で、経常利益は欠かせない大切な情報です。これは、会社が主な事業活動で得た利益だけでなく、それ以外の活動で得た利益も全て合わせたものです。言い換えると、会社が一年を通してどれだけの儲けを生み出したかを示す重要な指標となります。
経常利益には、商品を売ったり、サービスを提供したりすることで得られる売上高から、商品の仕入れ値や人件費などの費用を差し引いた営業利益が含まれます。さらに、会社の主な事業とは直接関係のない活動、例えば、保有している株式や債券を売却して得た利益や、銀行預金から得られる利息なども含まれます。これらを営業外収益といいます。一方で、災害による損失や、株式や債券の価格下落による損失など、会社の主な事業とは直接関係のない損失(営業外費用)も、経常利益を計算する際には考慮されます。これらの営業外収益から営業外費用を差し引いたものを営業外損益といいます。経常利益は、営業利益に営業外損益を加えて計算されます。
会社の活動は多岐に渡り、本業以外の活動で得られる利益や損失も無視できません。これらの利益や損失も合わせて考えることで、会社の全体的な収益力をより正確に把握することが可能となります。また、会社の規模や事業内容によって経常利益の額は大きく変動します。例えば、製造業と金融業では、利益の得方や経常利益に占める割合が大きく異なります。そのため、異なる業種の会社を比較する際には、経常利益だけでなく、他の指標も合わせて検討することが重要です。
経常利益は、会社の経営状態の安定性を評価する上で重要な指標の一つであり、投資をする人や金融機関なども注目する重要な情報です。会社の将来性を予測する際にも、過去の経常利益の推移などを参考にします。安定した経常利益を上げている会社は、健全な経営状態にあると判断され、将来の成長も期待できます。そのため、多くの投資家や金融機関は、経常利益を重要な投資判断材料として活用しています。
計算方法
会社の毎日の活動でどれくらい儲かっているかを示す大切な数字、それが経常利益です。この経常利益は、会社の主な活動でもたらされた利益である営業利益を土台として計算されます。営業利益とは、商品を売ったり、サービスを提供したりといった、会社の本業で得られた利益のことです。
経常利益を計算するには、この営業利益に加えて、本業以外の活動による儲けや損失も考慮する必要があります。本業以外の活動で得られた利益は営業外利益と呼ばれ、会社の所有物や投資から生まれる収入が含まれます。例えば、会社が持っている株や債券を売って利益が出た場合や、銀行預金の利子、あるいは会社が所有する土地や建物を貸して得た家賃収入などがこれにあたります。
一方、本業以外の活動によって発生する費用は営業外費用と呼ばれます。これは、例えば会社が銀行からお金を借りた際に発生する利息の支払いなどが該当します。また、保有している株や債券の価値が下がって損失が出た場合も、営業外費用として計上されます。
経常利益は、営業利益に営業外利益を足し、そこから営業外費用を引くことで計算されます。つまり、会社の主な事業活動で得た利益に、本業以外の活動で得た利益と費用を加減することで算出されるのです。このようにして計算された経常利益は、会社の全体的な収益力を示す重要な指標となります。株や債券への投資、不動産賃貸など、本業以外の活動も含めた会社の経営状態を把握する上で、経常利益は欠かせない情報と言えるでしょう。
営業利益との違い
会社のお金儲けの具合を測るものさしに、いろいろな種類がありますが、その中でも「営業利益」と「経常利益」は特に大切です。どちらも利益を表すものですが、何をどれくらい含めるかが違います。
まず、営業利益は、会社の本業でどれだけ儲けたかを示すものです。例えば、お店を営んでいる会社なら、商品の売り上げから、仕入れ値やお店を動かすための人件費、家賃などの費用を引いたものが営業利益です。つまり、本業の儲けだけを見ているのです。
一方、経常利益は、営業利益に加えて、本業以外の活動で得た利益や費用も含みます。例えば、銀行預金の利子や、持っている株の配当金のようなものは本業とは関係ありませんが、会社の収入になります。また、逆に、株で損失が出たり、災害で工場が壊れて修繕費がかかったりすることもあります。これらの本業以外の収入や支出も含めて計算したものが経常利益です。ですから、経常利益の方が、会社の全体的なお金儲けの具合をより詳しく表していると言えます。
会社の状態をきちんと知るためには、営業利益と経常利益の両方を見る必要があります。営業利益で本業の力強さを、そして経常利益で会社全体の儲け具合を確かめることで、会社のお金の流れをより深く理解することができるのです。例えば、営業利益は大きくても、経常利益が少ない場合は、本業以外で大きな損失が出ている可能性があり、注意が必要です。このように、両方を比べることで、会社の本当の姿が見えてきます。
| 利益の種類 | 意味 | 計算方法 | 注目すべき点 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 会社の本業でどれだけ儲けたか | 売上 – (仕入れ値 + 人件費 + 家賃 + その他本業に関わる費用) | 本業の力強さ |
| 経常利益 | 会社の全体的なお金儲けの具合 | 営業利益 + 本業以外の収入 – 本業以外の支出 | 会社全体の儲け具合 |
重要性
会社の状態をきちんと理解するためには、毎年の収入から必要な費用を引いた後の利益、つまり経常利益がとても大切です。この経常利益は、会社の本当の稼ぐ力を見るためのものさしと言えるでしょう。例えば、宝くじで急に大金を得ても、それは毎年の収入とは違います。同じように、会社もたまたま大きな利益が出たとしても、それがずっと続くとは限りません。
経常利益が大切なのは、会社がこれから先も安定して儲けを出せるかどうかの見込みを示してくれるからです。毎年コンスタントに利益を上げている会社は、将来も成長していく可能性が高く、周りの人からの信頼も厚くなります。これはまるで、真面目にコツコツ貯金をしている人が、お金の使い方がしっかりしていると思われて信頼されるのと同じです。
投資をする人やお金を貸す銀行なども、会社の経常利益をとても重視します。なぜなら、安定した経常利益は、会社が健全で倒産などの危険が少ないことを示す大切な合図だからです。会社の経営がしっかりしているかどうかを判断する上で、経常利益はなくてはならない情報です。
会社が長く続くためには、この経常利益を安定して出し続けることが欠かせません。まるで、マラソン選手が長い距離を走るために、ペース配分をしっかり考えて走るように、会社も息の長い経営をするためには、経常利益を常に意識し、安定した経営を心がける必要があるのです。そうでなければ、一時的に良い結果が出ても、長い目で見たときに成功したとは言えません。会社の成長を支え、未来への道を切り開くためにも、経常利益は重要な役割を果たしているのです。
| 経常利益の重要性 | 説明 | 例え |
|---|---|---|
| 会社の真の稼ぐ力を示す | 毎年の収入から必要な費用を引いた後の利益であり、会社の本当の収益力を示す指標。一時的な利益ではなく、継続的な収益力を見る。 | 宝くじの一時的な当選金ではなく、毎年の収入を見ること。 |
| 将来の安定性・成長性を示す | コンスタントな経常利益は、将来の成長可能性を示し、信頼につながる。 | コツコツ貯金をする人は、お金の使い方がしっかりしていると思われ、信頼される。 |
| 投資家や銀行からの信頼を得る | 安定した経常利益は、会社が健全で倒産リスクが少ないことを示すため、投資や融資を受けやすくなる。 | 会社の経営状態を判断する重要な指標。 |
| 長期的な成功の基盤となる | 安定した経常利益を出し続けることは、長期的な会社の成長に不可欠。 | マラソン選手がペース配分を考えて走るように、会社も安定した経営を心がける必要がある。 |
活用方法
お金を運用する人は、会社の状態を調べるために、普段の事業でどれくらい儲けているかを示す利益を大切なものさしとして使います。この利益を見ることで、会社がしっかりと儲けを出せているか、そしてその儲ける力はこれからも続くのかを判断することができます。
過去の利益の上がり下がりを調べることで、会社の儲ける力の変化を掴むこともできます。たとえば、数年前と比べて利益が大きく伸びているなら、会社が成長していると考えられます。逆に、利益が減り続けているなら、会社が何らかの問題を抱えている可能性があります。また、同じような事業をしている他の会社と比べて、利益の大きさを比べることも大切です。他の会社よりも利益が大きければ、その会社は競争力が高いと言えるでしょう。逆に、他の会社よりも利益が小さければ、競争力を高めるための工夫が必要かもしれません。
この利益は、本業以外での臨時収入や支出を含まないため、会社の本来の儲ける力を示すと言われています。たとえば、土地や建物を売って大きな利益が出たとしても、それは会社の普段の事業によるものではないため、この利益には含まれません。
会社の状態をしっかりと理解するためには、色々な情報を組み合わせて考えることが大切です。この利益の情報だけでなく、会社の経営方針や将来の計画なども合わせて考えることで、より確かな判断ができます。お金を運用する人は、これらの情報を総合的に見て、投資するかどうか、いくら投資するかを決めます。この利益は、会社の価値を測る上でなくてはならない情報と言えるでしょう。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 利益 | 企業の本来の収益力を示す指標。本業以外での臨時収入や支出は含まない。 |
| 利益の推移 | 過去の利益の増減を見ることで、企業の成長性や潜在的な問題点を把握できる。 |
| 同業他社比較 | 同業他社と比較することで、企業の競争力を評価できる。 |
| 総合的な判断 | 利益だけでなく、経営方針や将来計画も合わせて投資判断を行う。 |
まとめ
会社の状態をきちんと理解するためには、普段の仕事の儲けを表す「経常利益」がとても大切です。この経常利益は、会社の主な仕事で得た利益だけでなく、例えば銀行預金の利子収入といった普段の仕事以外の利益も合わせたものなので、会社の本当の稼ぐ力を示しています。
株を買ったりお金を貸したりする人たちは、会社の安全性やこれから伸びるかどうかを判断する時に、この経常利益を特に重視しています。会社の財務諸表を見る時は、まず経常利益に注目することで、会社の今の状態をより深く理解できるだけでなく、これからの動向を予想する助けにもなります。
経常利益は、会社の主な仕事での利益である「営業利益」に、普段の仕事以外の利益である「営業外利益」を足し、普段の仕事以外の費用である「営業外費用」を引いて計算されます。例えば、工場を動かしたり商品を売ったりする費用は営業費用で、営業利益を計算する時に使われます。一方、銀行からお金を借りた時の利息の支払いは営業外費用、銀行預金の利子収入は営業外利益として、経常利益の計算に使われます。
このように、経常利益を見ることで、会社が普段の仕事以外でもどれくらいお金を稼いでいるのか、あるいはどれくらいお金を使っているのかが分かります。これは、会社の全体的なお金の流れを理解する上で非常に重要です。
経常利益は、会社を分析するための最初の大切な一歩と言えるでしょう。会社の財務諸表を理解し、会社の状態を正しく把握するためには、経常利益をしっかりと理解することが不可欠です。
