逓減型保険を徹底解説

保険を知りたい
『逓減型』って、保険金額が減っていく契約のことですよね?どんな時に役に立つんですか?

保険アドバイザー
そうですね。保険金額がだんだん減っていく契約です。例えば、住宅ローンを組んだ時に、ローン残高が減っていくのに合わせて保険金も減らしていくことで、無駄なく保障を得られます。

保険を知りたい
なるほど。ローン残高に合わせて保険金が減っていくのは便利ですね。他にどんなメリットがありますか?

保険アドバイザー
保険金額が減っていくので、同じ保障期間の普通の定期保険と比べて保険料が安く済むというメリットもあります。必要に合わせて無駄なく備えることができるんです。
逓減型とは。
『だんだん減っていくタイプ』の保険について説明します。このタイプの保険では、保障されるお金が、決まった額ずつ、もしくは決まった割合で徐々に減っていきます。反対に『だんだん増えていくタイプ』の保険もあり、こちらは保障されるお金が徐々に増えていきます。増えていくタイプの保険は、物価が上がっても保障されるお金の価値を維持できるように、お金の額を増やしていくことができます。また、解約すると戻ってくるお金も多いので、個人よりも会社で利用されることが多いです。さらに、普通の定期保険とは少し違うタイプとして、保険料は変わらないまま保障されるお金が増えていく『増えていく定期保険』と、反対に保障されるお金が減っていく『減っていく定期保険』もあります。
逓減型保険とは

少しずつ減っていくタイプの保険を、逓減型保険といいます。契約した時に決められた金額から、一定の割合もしくは一定額が、時間の経過とともに少しずつ減っていく仕組みです。
代表的な例として、住宅ローンを組む際によく加入する団体信用生命保険が挙げられます。この保険は、万が一のことがあった場合、残された家族が住宅ローンの返済に困らないようにするためのものです。契約当初は住宅ローンの残高と同じ金額の保障が付けられますが、毎月ローンを返済していくにつれて、残りのローン残高も減っていきます。それと同時に、保険金も減っていく仕組みになっています。例えば、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、契約当初の保険金額は3,000万円ですが、1,000万円返済して残高が2,000万円になった時点で、保険金額も2,000万円に減るという具合です。
逓減型保険は、お子さんの教育資金を準備するための保険などにも活用されています。お子さんが成長するにつれて、必要な教育資金は徐々に少なくなっていきます。例えば、大学入学時には多額の費用が必要ですが、卒業が近づくにつれて必要な費用は減っていきます。そのため、教育資金を目的とした保険に逓減型を導入することで、必要な保障額を無駄なく準備することができ、保険料の負担を抑える効果も期待できます。
このように、逓減型保険は、時間の経過とともに必要となる金額が減少していく状況に適した保険といえます。将来の必要保障額を予測し、無理なく必要な保障を確保できるという利点があるため、上手に活用することで家計の負担を軽減しつつ、将来への備えを充実させることができます。
| 保険の種類 | 特徴 | 用途例 | メリット |
|---|---|---|---|
| 逓減型保険 | 時間の経過とともに保険金額が減少していく。 | 住宅ローン返済のための団体信用生命保険、教育資金準備のための保険 | 必要な保障額を無駄なく準備でき、保険料負担を抑える。家計負担軽減しつつ将来への備えを充実できる。 |
逓増型保険との違い

お金にまつわる備えとして、保険には様々な種類があります。その中で、保障される金額が時とともに変化していくタイプの保険に、逓増型と逓減型があります。この記事では、逓増型保険について、逓減型保険と比較しながら詳しく説明します。
逓減型保険は、時間の経過とともに保障される金額が徐々に減っていくのに対し、逓増型保険は反対に、保障される金額が徐々に増えていきます。これは、将来の物価上昇を見越して、あるいは人生における様々な変化に対応できるように設計されているからです。
例えば、将来事業を大きくしたいと考えている場合、初期費用は少なくても、事業が軌道に乗るにつれて必要となる資金は大きくなります。このような場合、逓増型保険に加入しておけば、事業の成長に合わせて保障額が増えていくため、必要な時に必要なだけのお金を受け取ることができます。また、相続が発生した場合に備えて、相続税の支払いに必要な資金を準備するために利用されることもあります。相続税は財産の評価額に応じて決まるため、財産が増えるほど相続税も高くなります。逓増型保険であれば、財産の増加に合わせて保障額も増えるため、相続税の支払いに必要な資金を確保することができます。
企業が従業員の退職金準備のために逓増型保険を活用するケースも増えています。退職金は勤続年数に応じて金額が増えるため、逓増型保険の保障額が増えていく仕組みと相性が良いのです。
逓減型保険と逓増型保険、どちらを選ぶべきかは、加入者それぞれの状況や将来設計によって異なります。将来どれくらいのお金が必要になるのか、いつ必要になるのかを予測し、それぞれの保険の特徴を理解した上で、自分に合った保険を選ぶことが大切です。保険の専門家やファイナンシャルプランナーに相談することで、より適切な選択をすることができます。
| 項目 | 逓増型保険 | 逓減型保険 |
|---|---|---|
| 保障金額の推移 | 時間とともに増加 | 時間とともに減少 |
| メリット | 将来の物価上昇やライフイベントに対応可能 事業の成長、相続税対策、退職金準備に活用できる |
初期の保障が手厚い 住宅ローン返済など、時間とともに減少するニーズに合う |
| 活用例 | 事業資金準備、相続税対策、退職金準備 | 住宅ローン残高に合わせた保障、子供の教育費準備 |
| 注意点 | 初期の保障額は低い | 将来の保障額は低い |
逓減定期保険のメリット・デメリット

逓減定期保険は、時間の経過とともに保障の金額が少しずつ減っていく生命保険です。この保険には、メリットとデメリットの両方がありますので、加入を検討する際は、ご自身の状況や将来設計に合わせて慎重に判断することが大切です。
まず、大きなメリットとして挙げられるのは、保険料の安さです。保障額が一定の終身保険などと比べると、同じ保障額で加入した場合、逓減定期保険の方が保険料は安価に設定されています。これは、保障額が徐々に減っていくという仕組みにより実現されています。そのため、家計への負担を少なく抑えたい方や、限られた予算の中で効率的に必要な保障を確保したい方にとって、魅力的な選択肢となります。特に、住宅ローンなどの借入金の残高に合わせて保障額を設定する場合に適しており、返済が進むにつれて減少していく借入残高と連動して保障額も減っていくため、無駄なく保障を備えることができます。
一方で、逓減定期保険のデメリットは、保障額が徐々に減少していく点です。加入当初は十分な保障額であったとしても、時間の経過とともに保障額が減少し、将来の生活設計の変化に対応できない可能性があります。例えば、お子様の誕生や教育資金の準備、新たな住宅の購入など、ライフステージの変化によって必要な保障額は変動します。逓減定期保険の場合、保障額が自動的に減少していくため、これらの変化に柔軟に対応することが難しく、保障不足に陥る可能性があります。また、病気や事故などで収入が減少した場合にも、十分な保障を受けられない可能性も考慮しなければなりません。そのため、定期的にご自身のライフプランを見直し、必要に応じて保障内容を調整したり、他の保険商品と組み合わせたりするなど、状況に合わせた見直しが必要となります。将来のライフイベントや経済状況の変化を予測することは難しいですが、定期的な見直しによって、より適切な保障を確保することが可能になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 保険料が安い。
|
| デメリット | 保障額が徐々に減少していく。
|
| 注意点 | 定期的にライフプランを見直し、必要に応じて保障内容を調整したり、他の保険商品と組み合わせたりするなど、状況に合わせた見直しが必要。 |
逓減定期保険の活用例

お金を借りて家を買うときに、一緒に加入する団体信用生命保険でよく使われているのが、逓減定期保険です。これは、毎月お金を返していくたびに、借りているお金の残高が減っていくのと同じように、保険金もだんだん減っていく保険です。
家を買うためにお金を借りた人が、もしものことがあった場合、残された家族は、借りていたお金を返し続けなければなりません。これは大きな負担になります。しかし、逓減定期保険に入っていれば、亡くなったときに残っていた借金の額と同じだけの保険金が支払われます。このお金で借金を返済すれば、家族は家を手放さずに済みますので、安心して暮らすことができます。
また、逓減定期保険は、子供のために教育資金を準備するのにも役立ちます。大学などに行くためのお金は、子供が大きくなるにつれて必要になる金額が減っていきます。入学金や授業料など大きなお金が必要なのは最初のうちだけで、学年が上がるにつれて必要なお金は少なくなっていくからです。逓減定期保険は、このような場合にも、必要な保障額の変化に合わせて保険金額が減っていくので、無駄なく備えることができます。
さらに、会社を経営している人が、自分の後を継ぐ人に会社を引き継ぐときにも、逓減定期保険は有効です。会社を相続すると、相続税という税金を支払わなければなりませんが、多額になることもあります。この相続税の支払いに備えて、逓減定期保険に加入しておけば、必要な時にまとまったお金を用意できます。
このように、逓減定期保険は、家の購入や教育資金の準備、事業の承継など、様々な場面で役立つ、使い勝手の良い保険です。将来に向けてお金の備えをしたいと考えている人は、検討してみる価値があります。
| 利用場面 | 説明 |
|---|---|
| 住宅ローン | 住宅ローン返済中に、借り主が死亡または高度障害状態になった場合、残りのローン残高と同額の保険金が支払われ、家族が家を手放さずに済む。 |
| 教育資金準備 | 子供の成長に伴い必要となる教育資金の減少に合わせて、保険金も減額。無駄なく教育資金を準備できる。 |
| 事業承継 | 事業承継時の相続税支払いに備え、必要な時にまとまったお金を用意できる。 |
保険選びのポイント

人生設計や万一の場合に必要な備えをはっきりさせることが、保険選びの第一歩です。将来どのくらい収入があり、支出はどのくらいになるのか、家族構成の変化はどうなるのかなどを考え、必要な保障の金額を計算しましょう。
保障の金額が徐々に減っていくタイプ、増えていくタイプ、一定の金額を保つタイプなど、様々な種類の保険があります。これらの種類を比べて、自分に合った保険を選ぶことが大切です。保険料だけでなく、保障される内容や特別な契約なども確認し、全体を見て判断しましょう。
保険会社の信頼性やサービス体制も重要な点です。保険は長い期間の契約となるため、信頼できる保険会社を選ぶことが大切です。複数の保険会社の商品を比較検討し、自分に最適な保険を選びましょう。
保険の相談窓口などを利用して、専門家の助言を受けるのも良い方法です。相談窓口では、家計の状況や将来の設計に基づいて、必要な保障額の算定や適切な保険の種類の選択など、自分に合った保険選びをサポートしてくれます。また、保険に関する最新の情報や様々な保険商品のメリット・デメリットなどを分かりやすく説明してくれるので、保険に関する知識を深めることもできます。
さらに、保険金請求の手続きや保険契約の変更など、保険に関する様々な手続きについても相談できます。保険は複雑な商品であるため、専門家の助言を受けることで、安心して保険に加入することができます。
自分に合った保険を選ぶことで、将来への不安を軽減し、安心して生活を送ることができます。



