長期平準定期保険:企業を守る保険

生命保険

長期平準定期保険:企業を守る保険

保険を知りたい

先生、「長期平準定期保険」ってよく聞くんですけど、普通の定期保険と何が違うんですか?

保険アドバイザー

良い質問だね。簡単に言うと、保険期間が長く、会社が役員や従業員の退職金準備のために使うことが多い定期保険だよ。たとえば、死亡退職金や生存退職金の支払いに備えるために加入するんだ。

保険を知りたい

なるほど。でも、具体的にどれくらい期間が長ければ「長期」なんですか?

保険アドバイザー

保険期間が終わるときに被保険者が70歳以上で、加入年齢に保険期間の2倍を足した数が105より大きい場合が長期平準定期保険とされているよ。満期保険金はないけれど、途中で解約すればお金が戻ってくることもあるんだ。

長期平準定期保険とは。

『長期平準定期保険』っていうのは、期間が特に長い定期保険のことです。通常、会社が契約者になって、役員さんや社員さんが保険の対象者になります。この保険は、退職金や慰労金を支払うためのお金を確保するために使われます。保険の期間が終わるときに、対象者の年齢が70歳を超えていて、契約時の年齢に保険期間を2倍した数字を足すと105を超える場合、この保険は長期平準定期保険になります。満期になってもお金はもらえませんが、途中で解約すれば解約返戻金を受け取ることができます。

長期平準定期保険とは

長期平準定期保険とは

長期平準定期保険は、一定の期間、保障が続く定期保険の中でも、特に期間が長いものを指します。この保険は、保障の期間が数十年単位となる場合もあり、人生における大きな出来事や事業の継続に備えることができます。

一般的な定期保険と同様に、保険期間中に被保険者が亡くなった場合、あらかじめ決められた金額の保険金が受取人に支払われます。この保険金は、残された家族の生活費や住宅ローンの返済、子供の教育費などに充てることができ、経済的な負担を軽減するのに役立ちます。

長期平準定期保険は、保険料が一定期間変わらない「平準払い」という仕組みを採用しています。つまり、加入時に設定された保険料が、契約期間中ずっと同じ金額で支払うことができます。将来の保険料の値上がりを心配することなく、計画的に保険料を支払うことができるので、家計管理の面でも安心です。

企業経営においても、この保険は重要な役割を果たします。会社の経営に欠かせない役員や、高度な技術を持つ熟練従業員が突然亡くなった場合、会社は大きな痛手を被る可能性があります。長期平準定期保険に加入することで、このような不測の事態による損失を補填し、事業の継続性を守ることができます。

また、個人の場合でも、住宅ローンなどの長期的な負債を抱えている場合、万が一のことがあった際に残された家族が負債を返済できるよう備えることができます。

満期時には満期保険金は支払われませんが、中途解約をする場合には解約返戻金を受け取ることが可能です。将来の資金計画に応じて、柔軟に解約返戻金を利用できることも、この保険のメリットの一つです。

項目 内容
保険種類 長期平準定期保険
保障期間 長期(数十年単位)
保険金 被保険者死亡時にあらかじめ決められた金額
保険料 平準払い(一定期間変わらない)
主な用途 生活費、住宅ローン返済、教育費、事業継続、負債返済
満期保険金 なし
解約返戻金 あり

主な利用目的

主な利用目的

長期平準定期保険は、主に会社が利用する保険です。役員や従業員の方が退職する際に支払う退職金や、勤続年数に応じて支給される退職慰労金を準備するために活用されます。近頃では、従業員の働きやすい環境づくりが会社にとって大きな課題となっており、退職金制度を新しく導入したり、内容を充実させたりする会社が増えています。

長期平準定期保険を活用すると、将来支払う退職金に必要な資金を、あらかじめ計画的に積み立てることができます。一度に大きな金額を支払う必要がないため、会社の金銭的な負担を軽くすることができます。また、従業員の方が不慮の事故や病気で亡くなった場合、残された家族への金銭的な援助を行うこともできます。

このような保障は、従業員が安心して働ける環境づくりに役立ち、会社の社会的責任を果たすことにも繋がります。さらに、会社にとって欠かせない従業員を失った場合の備えとしても役立ちます。特に、後継者不足が心配されている中小企業にとっては、経営者が万が一の際に会社を継続していくための支えとして、長期平準定期保険は大切な役割を担います。

例えば、会社が従業員の退職金準備のために長期平準定期保険に加入した場合、保険料を支払うことで、将来の退職金支払いに必要な資金を確保できます。従業員が退職を迎えた時に、保険金を受け取り、退職金を支払うことができます。また、従業員が万一亡くなった場合、死亡保険金を受け取ることができ、それを遺族への弔慰金や見舞金として支給することができます。このように、長期平準定期保険は、会社にとって従業員の福利厚生を充実させ、事業の安定を図るための有効な手段となります。

長期平準定期保険のメリット 説明 対象
計画的な退職金準備 あらかじめ計画的に積み立て、一度に大きな金額を支払う必要がないため、会社の金銭的負担を軽減 会社
従業員への保障 不慮の事故や病気で従業員が亡くなった場合、残された家族への金銭的援助が可能 従業員とその家族
会社イメージ向上 安心して働ける環境づくりに役立ち、会社の社会的責任を果たすことに繋がる 会社
事業継続の支え 特に後継者不足が心配されている中小企業にとっては、経営者が万が一の際に会社を継続していくための支えとなる 会社(特に中小企業)
弔慰金・見舞金支給 従業員が万一亡くなった場合、死亡保険金を受け取ることができ、それを遺族への弔慰金や見舞金として支給することができる。 従業員の遺族
事業の安定 従業員の福利厚生を充実させ、事業の安定を図るための有効な手段 会社

加入条件

加入条件

この保険に入るには、いくつか決まりがあります。まず、保険の保障期間が終わる時に、保障される人の年齢が70歳を超えていることが必要です。たとえば、保障期間が30年で、保障される人が40歳の場合、保障期間終了時は70歳となり、この条件を満たします。しかし、同じ30年の保障期間で、保障される人が35歳の場合、保障期間終了時は65歳となるため、この保険には入れません。

次に、入る時の年齢に保障期間の2倍を足した数が105を超えていることも必要です。例えば、入る時の年齢が35歳で、保障期間が30年の場合、35+(30×2) = 95となり、この保険には入れません。しかし、入る時の年齢が40歳で、保障期間が30年の場合、40+(30×2) = 100となり、これも条件を満たしていません。入る時の年齢が40歳で、保障期間が35年の場合、40+(35×2) = 110となり、ようやく条件を満たすことになります。

一見すると分かりにくい条件ですが、これは、この保険が長い期間の保障を提供することを目的としているからです。保障期間が長くなるほど、将来の不確実性が増すため、これらの条件によって、保険金が支払われる可能性が高くなる時期に保障が集中するように設計されています。つまり、若い年齢で長期間の保障を受けようとすると、これらの条件を満たすのが難しくなります。

保険期間が長いため、入る時の年齢と保障期間の設定は慎重に行う必要があります。自分たちの状況に合った最適なプランを選ぶためには、専門家に相談することをお勧めします。専門家は、家族構成や経済状況、将来の計画などを考慮しながら、最適な保障期間や保険金額を提案してくれます。また、保険料の試算なども行ってくれるため、安心して加入手続きを進めることができます。

条件 説明 例 (保障期間30年) 例 (保障期間35年)
保障終了時の年齢 70歳以上であること 40歳加入 → 70歳 (OK)
35歳加入 → 65歳 (NG)
40歳加入 → 75歳 (OK)
35歳加入 → 70歳 (OK)
加入年齢 + 保障期間 × 2 105以上であること 35歳 + (30×2) = 95 (NG)
40歳 + (30×2) = 100 (NG)
40歳 + (35×2) = 110 (OK)
保険期間 長期間の保障を提供 加入年齢と保障期間の設定は慎重に 加入年齢と保障期間の設定は慎重に

解約返戻金

解約返戻金

生命保険を途中で解約した場合に受け取ることができるお金のことを、解約返戻金と言います。解約返戻金を受け取れるのは、貯蓄性の高い保険に加入している場合です。例えば、長期にわたって一定の保険料を支払う、長期平準定期保険などが該当します。病気やケガで入院した際などに給付金を受け取れる医療保険や、死亡時に保険金が支払われる定期保険のような保障に特化した保険では、基本的に解約返戻金は受け取れません。

この解約返戻金の額は、いつ解約するのかによって大きく変わってきます。保険料の支払いを始めて間もない時期に解約すると、支払った保険料の合計額よりも少ない金額しか戻ってこない場合もあります。これは、保険会社が契約の締結や維持にかかる諸々の費用を、初期の保険料から差し引いているためです。契約からある程度の期間が経過すると、解約返戻金の額は徐々に増えていき、最終的には支払った保険料の合計額を上回ることもあります。

また、解約返戻金の額は、その時々の市場の金利状況によっても変動します。金利が高い時期に解約すると、より多くの解約返戻金を受け取れる可能性があります。逆に、金利が低い時期に解約すると、解約返戻金の額は少なくなる可能性があります。

解約返戻金は、急な出費が必要になった時などに役立つ資金源となります。しかし、保険を解約してしまうと、それ以降の保障は一切なくなってしまうという点に注意が必要です。つまり、病気やケガで入院した時や、死亡した時に受け取れるはずだった保険金を受け取ることができなくなります。

解約するかどうかは、将来の生活設計や保障の必要性などをよく考えて、慎重に判断する必要があります。解約返戻金の具体的な金額や、解約による影響などについて、わからないことがあれば、保険会社に問い合わせて、しっかりと説明を受けるようにしましょう。

項目 内容
解約返戻金とは 生命保険を途中で解約した場合に受け取ることができるお金。貯蓄性の高い保険(例:長期平準定期保険)に加入している場合に受け取れる。保障特化型の保険(医療保険、定期保険など)では基本的に受け取れない。
解約返戻金の額
  • 解約時期に大きく左右される。契約初期は支払った保険料合計額より少ない場合も。
  • 契約期間経過とともに増加し、最終的には支払保険料合計額を上回ることも。
  • 市場の金利状況にも影響され、金利高時は増加、金利低時は減少傾向。
解約返戻金のメリット 急な出費が必要になった際の資金源となる。
解約返戻金のデメリット 解約後は保障が一切なくなる(病気、ケガ、死亡時の保険金を受け取れなくなる)。
解約時の注意点 将来の生活設計や保障の必要性をよく考え、慎重に判断する。不明点は保険会社に問い合わせる。

法人向け保険

法人向け保険

会社向けの保険、特に長期平準定期保険は、会社が契約者となり、役員や社員が被保険者となる保険です。これは、会社の経営を守るため、そして社員の生活を守るための大切な役割を果たします。

まず、社員にとってのメリットは福利厚生の充実です。病気やケガで万一のことがあった場合に、保険金が支払われることで、本人や家族の生活を守ることができます。これは、社員の安心感につながり、仕事への意欲向上、ひいては会社の業績向上にも良い影響を与えるでしょう。

会社にとっては、事業を安定して続けるための備えとして役立ちます。例えば、重要な役員が亡くなった場合、会社経営に大きな影響が出ることがあります。このような時に保険金があれば、後継者育成のための資金や、事業継続のための資金として活用できます。また、解約返戻金を活用して設備投資や事業拡大の資金に充てることも可能です。

さらに、相続対策としても有効です。会社が保険料を負担し、受取人を被保険者の家族に指定することで、被保険者が亡くなった場合、家族は相続税の負担を軽減できる可能性があります。ただし、相続税の計算は複雑ですので、税理士などの専門家に相談することが大切です。

保険に加入する際は、保険金額や保険期間、受取人など、会社の状況や将来の計画に合わせて慎重に検討する必要があります。専門家である保険代理店やファイナンシャルプランナーに相談することで、最適な保険設計を行うことができます。保険は、将来の不確かな出来事から会社と社員を守るための重要な手段です。将来を見据え、しっかりと検討しましょう。

対象 メリット 効果
社員 福利厚生の充実(病気・ケガ時の保障) 安心感向上、仕事への意欲向上、ひいては会社の業績向上
会社 事業継続のための備え(役員等の万一の場合の資金確保、解約返戻金の活用)
相続対策(相続税負担の軽減)
後継者育成、事業継続、設備投資、事業拡大
Amazon プライム対象
タイトルとURLをコピーしました