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生命保険

保険会社の収益源:三利源を理解する

生命保険会社は、集めた保険料をただ保管しているわけではありません。集めたお金を運用して利益を上げており、その利益を生み出す源を「三利源」と呼びます。この三利源は、生命保険会社の経営状態を理解する上で非常に重要な要素です。まず一つ目は「費差益」です。これは、生命保険会社が事業を行う上で必要な経費、つまり事業費の見積もりと、実際に発生した経費の差額から生まれる利益です。例えば、保険を販売するための広告費や事務処理にかかる人件費など、様々な経費をあらかじめ見積もっておきます。そして、実際に事業を行った結果、見積もりよりも経費が少なかった場合、その差額が費差益となります。二つ目は「危険差益(死差益)」です。生命保険会社は、統計データに基づいて、加入者が一定期間内に亡くなる確率を予測し、保険料を算出します。この予測された死亡率と、実際に発生した死亡率との差から生まれる利益が危険差益です。例えば、ある年齢層の死亡率を1%と予測していたのに、実際には0.8%だった場合、その差が危険差益となります。そして三つ目は「利差益」です。生命保険会社は、集めた保険料を株式や債券などで運用し、そこから利益を得ています。この運用によって得られる利回りを見積もっておき、実際に得られた利回りと見積もりの利回りとの差が利差益となります。例えば、3%の利回りを見積もっていたのに、実際には4%の利回りで運用できた場合、その差額が利差益となります。このように、費差益、危険差益、利差益という三つの要素が組み合わさって、生命保険会社の利益、つまり収益が生まれます。生命保険会社は、これらの差を適切に管理することで、経営の安定化を図りつつ、契約者への保障の提供を続けています。そのため、三利源を理解することは、生命保険会社の経営状態を把握する上で非常に大切なのです。