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企業価値を高めるERM入門

会社をうまく経営していくためには、危険を予測し、備えることがとても大切です。そのための方法として、統合的危険管理というものがあります。これは、会社全体で起こりうるあらゆる危険をまとめて把握し、対処していく方法です。以前は、それぞれの部署で別々に危険管理を行うことが一般的でした。例えば、営業部は売上減少の危険、製造部は製品事故の危険、経理部は資金繰りの危険といった具合です。しかし、このような個別の対応では、会社全体としての危険の状況を把握しきれず、思わぬ大きな損失につながる可能性がありました。統合的危険管理では、お金に関する危険、事業運営に関する危険、災害による危険など、会社に関わるあらゆる危険を、部署の垣根を越えてまとめて管理します。それぞれの部署でバラバラに対応するのではなく、会社全体で危険の状況を共有し、対策を考えることで、より効果的に危険を減らすことができるのです。例えば、大雨による浸水の危険があったとします。従来の方法では、それぞれの部署が個別に浸水対策を行うかもしれません。しかし、統合的危険管理では、会社全体で浸水の危険度を評価し、優先順位の高い部署から対策を行うなど、より効率的で効果的な対策を実施できます。このように、統合的危険管理によって、会社は予期せぬ損失を最小限に抑え、安定した事業活動を続けることができるようになります。会社の規模に関わらず、危険管理の全体像を把握し、組織全体で対応していくことが、会社の成長と発展には不可欠と言えるでしょう。
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企業の責任と未来への投資:ESG

近年、投資の世界で「未来への投資」という考え方が注目を集めています。これは、従来の利益のみを追求する投資スタイルとは一線を画し、より良い社会の構築に貢献する企業を応援する投資手法です。その代表例として挙げられるのが「環境・社会・企業統治」を重視した投資です。この投資手法は、企業の財務状況だけでなく、環境問題への取り組み、社会貢献活動、そして公正で透明性のある企業統治といった要素も考慮に入れて投資判断を行います。具体的には、地球温暖化対策への貢献度や、地域社会への貢献、従業員の労働環境の整備、公正な報酬制度の導入などを評価基準としています。これらの要素は、短期的な利益には直接結びつかない場合もありますが、長期的な視点で見れば、企業の持続可能性を高め、ひいては社会全体の利益にも繋がると考えられています。例えば、環境問題に真摯に取り組む企業は、将来的な環境規制強化によるリスクを低減し、持続的な成長が見込めます。また、従業員の労働環境を重視する企業は、優秀な人材を確保し、生産性の向上に繋げることができます。このように、「環境・社会・企業統治」を重視した投資は、単に企業の財務状況だけでなく、その企業の姿勢や行動、そして未来への可能性を評価することで、より良い未来を築くことに貢献することを目指しています。つまり、この投資手法は、お金をただ増やすだけでなく、より良い社会の実現にも貢献できるという点で、未来への投資と言えるでしょう。投資を通じて、持続可能な社会の実現に貢献したいと考える人々にとって、この投資手法は有力な選択肢となるでしょう。
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子ども手当から児童手当へ:制度変更の背景

子ども手当は、次代を担う子どもたちの健全な成長を支えることを目的とした制度でした。これは、中学校卒業までの子どもを育てる親に対し、金銭的な支援を行うことで、子育てに伴う家計の負担を軽くし、子育てしやすい社会の実現を目指していました。支給される金額は、子どもの年齢や人数によって異なり、一定以上の収入がある世帯には支給されないなどの決まりもありました。この制度は、少子化への対策として導入されたもので、子育て支援策として広く知られていました。子ども手当は、毎月一定の金額が支給されるため、家計のやりくりがしやすくなるという利点がありました。例えば、乳幼児期にはミルクやおむつ、学童期には習い事や塾など、子育てには何かと費用がかかります。子ども手当は、こうした費用に充てることができ、子育て世帯の経済的な不安を和らげる役割を果たしていました。また、子ども手当の導入により、子育てへの社会全体の関心が高まり、子育て支援の機運向上にも貢献しました。しかし、この制度を維持していくためには、多額の費用が必要となるため、財源をどのように確保するかが課題となっていました。また、高収入世帯への支給制限については、その基準の妥当性や公平性など、様々な議論がありました。このような背景から、制度の見直しが行われることになり、平成24年10月からは、子ども手当に代わり児童手当が支給されるようになりました。子どもたちの健やかな成長を支えたいという考えは、その後も児童手当に引き継がれ、現在も子育て世帯への支援は続けられています。児童手当は、3歳未満の子どもは一律で月額1万5千円、3歳から中学校卒業までは第3子以降は月額1万5千円、それ以外は月額1万円が支給される制度で、所得制限も設けられています。子ども手当から児童手当への移行により、支給対象や金額、所得制限などが変更されましたが、子育て世帯を支援するという目的は変わっていません。